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第14回グローバル特許法シンポジウム

 早稲田大学知的財産法制研究所では、ペンシルバニア大学等との共催により、第14回グローバル特許法シンポジウムを下記のとおり実施いたします。扱うテーマは、第1部は「特許の開示要件」、第2部は「仮処分による救済」です。参加の申し込みは、後掲の参加登録欄からお願いいたします。

日時:2025年5月24日(土)10:30 - 16:30 (16:30 – 17:30 レセプション)
場所:早稲田大学リサーチ・イノベーション・センター(121号館)B1 コマツ100周年記念ホール
使用言語:日本語及び英語(同時通訳付き)
参加費:無料(要登録)
主催:早稲田大学知的財産法制研究所、ペンシルバニア大学技術・イノベーション・競争センター
共催:早稲田大学法学部、ペンシルバニア大学ロースクール、清華大学法学部

本シンポジウムは、JSPS科研費JP24H00131「AIと知的財産権:財の稀少性なき時代の知的財産法制度の研究」の助成を受けたものです。

概要:今回の会議では、実体的特許法に関するテーマと、特許訴訟の手続的側面に関するテーマの2つを取り上げます。

第1部は、「特許の開示要件」(Patent Disclosure: Enablement & Written Description)をテーマとして、米国、欧州、中国及び日本の特許法における、特許制度における開示要件(記載要件)の基準の運用について議論します。この論点は、バイオテクノロジーや製薬といったイノベーション集約型分野に大きな影響を与えた最近の重要判決――特に2022年の米国連邦最高裁のAmgen v. Sanofi事件判決――を受け、改めて注目されています。

登壇者に関し、まず米国連邦巡回区控訴裁判所のLeonard P. Stark判事を迎え、デラウェア連邦地裁の判事時代の判決を含め、米国における開示要件の法理形成について語っていただきます。日本からは、高部眞規子弁護士・元知財高裁所長に登壇いただき、日本におけるAmgen訴訟を担当したご経験も踏まえ、日本法のアプローチについてお話しいただきます。さらに、コペンハーゲン大学のバイオサイエンス・イノベーション法先端研究センター(CeBIL)所長のTimo Minssen教授から、比較法的・理論的な視点からの考察につき話していただきます。さらに、米国、中国及び日本の特許法分野の著名な研究者からも発表をいただき、各法域特有の観点や学術的見地からの分析を述べていただきます。

第2部では、特許訴訟における「仮処分による救済」(preliminary injunctive relief)を取り上げます。これは、世界中の訴訟戦略において重要な、進化を続ける制度です。特に、欧州で統一特許裁判所(UPC)が始動し、仮差止命令を発出していることにより、その意義が一層高まりつつあります。本セッションでは、同制度の意義、米国、中国及び日本における動向等について取り上げます。

米国からは、ペンシルベニア州東部地区連邦地方裁判所のJohn F. Murphyに、米国司法の視点を提供していただきます。中国からは、最高人民法院知的財産法廷の呉蓉(Wu Rong)判事に、中国における特許訴訟制度の成熟に伴う仮処分制度の変化や執行の実態を説明いただきます。さらに、執行制度の実情に詳しい実務家や学識経験者からも発表をいただきます。

以上のとおり、本シンポジウムは、二つのセッションを通じ、司法、法律実務家及び学界の各分野の第一線で活躍する専門家が一堂に会し、実務に直結した、かつ未来志向のダイナミックな意見交換の場となると存じます。また、参加者の皆様には、Q&Aセッションやシンポジウム後のレセプションにおいて、登壇者との交流の機会も提供されます。奮ってご参加いただくことを期待しております。

プログラム(敬称略):

10:30 – 10:35

開会挨拶

  • 弦間正彦(早稲田大学理事(国際部門総括担当))

  • Christopher Yoo(ペンシルバニア大学教授、技術・イノベーション・競争センター長)

10:35 – 13:00
第1部 特許の開示要件

モデレータ: 鈴木將文(早稲田大学教授)

報告者・パネリスト

  • Hon. Leonard Stark(米国連邦巡回区控訴裁判所判事)

  • 髙部眞規子(弁護士、早稲田大学客員教授。元高松高等裁判所長官、元知的財産高等裁判所長)

  • Polk Wagner (ペンシルバニア大学教授)

  • Timo Minssen (コペンハーゲン大学教授、同大学バイオサイエンス・イノベーション法先端研究センター長)

  • 崔国斌(清華大学)

  • 前田健(東京大学教授)

13:00 - 14:30 昼食休憩

14:30 - 16:30
第2部 仮処分による救済

モデレータ: Christoph Rademacher(早稲田大学教授)

報告者・パネリスト

  • Axel Metzger (ベルリン・フンボルト大学教授)

  • Hon. John Murphy (米国ペンシルバニア州東部地区連邦地方裁判所判事)

  • 東海林保(弁護士、元知的財産高等裁判所判事)

  • Christof Karl (ドイツ弁護士)

  • 吴蓉 (中国最高人民法院知的財産法廷判事)

  • Chris Longman (Vice President, Qualcomm)

16:30: 閉会挨拶 高林龍 (早稲田大学名誉教授)

16:35 - 17:30  レセプション(参加無料)

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