お申し込みはページ最下段お申し込みフォームから

日程
2016年5月11日(水)18時30分-20時30分 
会場
早稲田大学早稲田キャンパス 大隈記念講堂 小講堂
主催
早稲田大学 知的財産法制研究所(RCLIP)
参加費
無料

20160511poster_s.png

報告者

中山一郎 國學院大学法科大学院教授

司会

高林龍 早稲田大学法学学術院教授

概要

 本年(平成28年)4月,平成27年改正特許法に基づく新たな職務発明制度がスタートした。産業界にとっての目下の関心は,職務発明規程の具体的文言や具体的手続をどのように定めるかといった実務的対応策にあろうが,本報告の問題意識はそれとは若干異なる。
 今般の職務発明制度改正は,平成16年改正(平成17年4月施行)に続く,約10年間で2回目の見直しである。当初,今般の改正論議の俎上には抜本的な見直し案も載せられたものの,結果として,改正内容は,平成16年改正と比べて,理論的にはともかく,実質的には小幅な見直しに止まった感も否めない。とりわけ,相当の「利益」付与の不合理性を手続面を重視して判断する基本的枠組みは,平成16年改正下のものと,(運用上はともかく)少なくとも条文上は実質的に変わりなく,例えば,実体面の(補完的)考慮の可否といった論点はそのまま残されている。従来から残されている問題は他にも存在する(大学発明の扱いなど)。
 そのような観点から,本報告では,立法事実の評価を通じて27年改正の意義を検証するとともに,27年改正にも引き継がれた不合理性判断と実体面の関係について,平成16年改正下の野村證券事件判決も踏まえつつ,検討してみたい。あわせて,その他の残された問題にも触れつつ,発明者の動機付けに関する実証研究成果なども踏まえて職務発明制度の在り方についても若干の考察を試みてみたい。

第43回RCLIP研究会
平成27年職務発明制度改正を考える